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CATEGORY: 住宅リフォーム施 工:令和3年竣工 家族構成:夫婦 延床面積:
40年程前に中古住宅として購入した際、内外装は一部リフォームされたそうですが、建物自体は築100年近くは経っているというお家をリフォームしました。
一部間取り変更の内装リフォーム工事でしたが、解体してみると柱や土台が腐って無くなり、住宅が傾いていました。
雨水桝がなく、縦樋から落ちる雨水が何十年もそのまま柱を伝っていた為だと判明しました。
というわけで、柱や土台の修繕をしてからという事になりました。
腐った柱は取替え、補強をし、土台も取替えました。
原因となった縦樋の雨水は、柱から離し、道路への側溝へ流れ落ちるようにしました。
また、既存の土壁には筋交いなどの補強がなく、耐震面で心配があったので、構造用合板を柱にしっかりと固定し、耐震壁で補強をしました。
下床の修繕には、既存の下床を解体し、床束を交換し大引の補強を行いました。
根太を入れ、断熱材を敷き詰めました。
コンクリートが無かった時代の建物の基礎は、束石の上に建物を直接乗せているような工法です。
現在のように鉄筋やコンクリートで基礎を作り、建物と基礎を固定する事で地震などの揺れから建物を守るという考えとは異なります。
基礎に固定しない事により、大きな揺れが来た時、束石から束が外れ、揺れを吸収、分散させて倒壊を防ぐという考え方でした。
という事で、こちらの建物も床を壊したら、地面が顔を出しました~。
既存は通り沿いに玄関がありましたが、お施主様から玄関の位置をお庭側へ変更したいとのご希望がありました。
車や自転車が頻繁に通る道に面しているので、安全面から考えても玄関の移動は大賛成でした。
しかし、ちょうど玄関をつけたい箇所に通し柱があり、この柱は撤去するわけにはいかないことが判明。
間口80cmにも満たないスペースでしたが、このスペースに収まる玄関ドアを取り付ける事にしました。
間口は狭いですが、リビングに掃き出しサッシがあるので、大きな荷物の出し入れ等は問題なさそうで安心です。
この機会に、チャーミングな赤ポストはやめて埋込ポストを取り付けました。
既存の外壁は、一部分だけ波板だったり、色が違ったりしていました。
お施主様もこれがずっと嫌だったそうで、同じような色味の外壁に貼り変えました。
見た目もスッキリ綺麗になりましたね~。
土台や柱がしっかりしていないと、どんなに見た目を綺麗にしても意味がありません。
この機会に、修繕する事ができ、また生き返った住宅になり安心しました。